クラシック音楽に詳しくない人でも、ロシアと言えばチャイコフスキー、といったイメージがあるように、
ロシアのクラシック音楽作品は世界中で愛されている文化的遺産と言っても良いだろう。
そんなロシアへ行くからには、ハイレベルな現地オーケストラの演奏を聴きに行ってみよう。
今回は、サンクトペテルブルグを拠点とするサンクトペテルブルグ・フィルハーモニーを紹介する。
※画像は https://www.facebook.com/spbphilharmonia/ より引用
サンクトペテルブルク・フィルハーモニー
サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団とは
※画像は https://www.facebook.com/spbphilharmonia/ より引用
1882年に設立された、サンクトペテルブルクで最も古い歴史を持つフィルハーモニーだ。
来日経験もある世界的指揮者ユーリ・テミルカーノフが首席指揮者を務める。
都市サンクトペテルブルクの名称変更の沿革に従って、「ペトログラード国立フィルハーモニー交響楽団」
「レニングラードフィルハーモニー交響楽団」と改称し、現在に至る。
フィルハーモニーが拠点としている大ホールは、ミハイロフスキー劇場やロシア美術館のある芸術広場
に面して建っている。サンクトペテルブルクにある数々の著名な建築物を設計したことで知られる
カルル・ロッシによって設計された。
この大ホールでは、チャイコフスキーが自身の指揮で交響曲第六番『悲愴』の初演を行った。
伝説
※画像は https://www.facebook.com/spbphilharmonia/ より引用
第二次世界大戦中、レニングラード(現サンクトペテルブルク)はナチス・ドイツに包囲され、
都市は壊滅状態となっていた。そんな中、フィルハーモニーの大ホールに何とか奏者らが集結し、
ドミトリー・ショスタコーヴィチの交響曲第7番『レニングラード』の初演が行われた。
市街戦の真っただ中、飢えや砲撃によって次々と市民が命を落としてゆく状況にもかかわらず
行われたこのコンサートは、多くの人々を勇気づけ、市民による英雄的な抵抗の象徴として語られている。
現在、レニングラードが解放された記念日である1月27日には、ショスタコーヴィチの交響曲第7番
『レニングラード』が演奏されるコンサートが開かれることがある。
サンクトペテルブルク・フィルハーモニーに行ってみよう
サンクトペテルブルグ・フィルハーモニーは芸術広場に面する大ホールと、ネフスキー大通りに面する
小ホールから成る。
交響楽団などの大編成のオーケストラのコンサートは大ホールで行われる。大ホール全体は長方形で、
2階建ての構造となっている。
筆者のおすすめは2階席の前列だ。このホールは2階席への音響が非常によく、オーケストラ後列の管楽器の
音色を存分に楽しみたい人にはうってつけだ。また、2階席であるがゆえにチケットの価格が安い。
こういった席はすぐに売り切れてしまうので、早めにチケットを購入しておこう。
また、常任指揮者ユーリ・テミルカーノフが指揮を振るコンサートや有名なソリストが出演するコンサートの
チケットは席を問わず売り切れやすいため、サイトの情報を随時チェックし早めにチケットを買い求めよう。
※画像は https://www.philharmonia.spb.ru/en/about/visit/ より引用
小ホールでは、比較的規模の小さなコンサートが行われており、ピアノやバイオリン、ブラスバンドや
ジャズバンドなどと幅広い。小さなホールではあるものの、もともとは舞踏会場として使われていたため、
豪華で美しい。
公式サイト
公式ホームページにてオンラインでチケットの購入が可能
英語・ロシア語対応
https://www.philharmonia.spb.ru/en/
アクセス
メトロ青線「ネフスキー・プロスペクト(Невский Проспект)」から徒歩1分~3分
大ホール
小ホール
まとめ
その国のオーケストラには音色にその国特有の味わいがあり、また、個々のオーケストラにも個性が光る。
現地のオーケストラを聴きに赴くことで、その国のみならず、その都市や街の歴史に思いを馳せてみるのも
旅先での一興なのではないだろうか。
著者:田中真奈美